Port Rise 003 発注フォームにデータを入れる前にすること

発注管理システム Port Rise
発注管理システムPort Riseは、小規模事業を経営されている方向けの業務管理システムです。Microsoft Accessで作られています。基本機能を収めたサンプルバージョンがこちらからフリーダウンロードできます。さらに機能を拡張した製品版は、オンラインショップPort Riseから購入できます。

Port Rise Ver1.2の使い方を説明していきます。発注フォームについてです。

データを入れていく前にすること

発注データを入れていきますが、その前にやるべきことがいくつかあります。それはデータを入れていくことです。
つまり発注データの前に入れておくべきデータが必要なのです。具体的には

  • 仕入先
  • 製品情報
  • 分類情報
  • 費目
  • ジャンル
  • 製品種別

などです。これらを先に入れておかないと、発注できません。でも、これって当たり前のことですよね。すでにデータはありますよね。それを登録していきましょう。

仕入先

「仕入先リスト&登録」ボタンを押します。するとこのフォームが開きます。

ここで、仕入先を登録します。これってExcelのシートと同じですね。このフォームはデータシート形式になっていて、Excelのように使えます。上にあるフィールドのところにある三角のマークを押すと、様々なフィルターをかけることができます。だんだんデータが増えてきたら、使うようになります。

ここで、必ず入れなければならないデータがあります。それは「仕入先ID」です。ここだけデータが入っていれば、レコードを保存することができます。このように、各フォームには、入力が必須のフィールドがあります。そのフィールドが入っていなければ保存することができませんが、その場合にはエラーが出るので必ず気が付きます。つまり、レコードが保存できれば、問題ないのです。レコードが保存できないときは、何かが間違っていますので、よく見返す必要があります。

仕入先登録では、「仕入先ID」が必須の項目になっていて、これから先、仕入先はこの「仕入先ID」で判断します。仕入先のお店の名前は、データ上はあまり意味がないのです。ですが、分かるデータは全て入れておきましょう。後で使うことがあるかもしれません。もし、ここにあるフィールド以外にも入れたいことがあったら、相談してください。フィールドを増やすことができます。

仕入先を入れました

とりあえず、3店舗の仕入先を入れておきました。

仕入製品情報

仕入製品情報とは、お店から買うものの製品の情報のことです。ものを転売するにしても、買うものと売るものは分けて考えます。たとえただ、右から左へものを動かすだけでも、仕入製品と販売製品ということで分けてしまいます。この理由は、全ての仕入製品と販売製品が1:1で対応しているわけではないからです。買ったものを組み合わせて売ったりすることもありますし、買ったものの名前を変えて売ることもありますね。部品を買って製品を作って販売することもありますので、買うものは仕入製品として扱います。

その仕入製品を登録するフォームです。

製品登録フォーム

ここで必ず入れるデータは、「仕入製品ID」です。仕入製品は、この「仕入製品ID」で判別します。同じ「製品品名」でも、「仕入製品ID」が異なれば別の製品とみなします。なので、同じものを2個登録したりしないほうが良いですね。そういう重複が起こらないようにする方法は、後で説明します。入れるときに確認する方法です。
仕入先は登録してもしなくてもどっちでも良いのですが、一応入れておきます。
その他に「費目」、「ジャンル」、「製品種別」とあります。このフィールド名は、変更することもできますが、要するに分類のことです。「大分類」、「中分類」、「小分類」としても同じです。なぜこれを分けるかというと、このフィールドで集計するためです。集計したい内容でフィールドを作っておくと、後で便利なのです。

分類情報

初めは、分類が何も入っていません。最初にある程度の分類を作っておきましょう。後で追加することはできます。でも、後から削除することは大変です。ですので、よく考えて、どの分類で分けていくかを検討して決めてください。自分が将来何を扱うのかということです。分類を追加するときには、「分類追加」ボタンをクリックします。

分類登録フォーム

「費目」「ジャンル」「製品種別」は、製品登録の手間を省くため、絞込検索ができるようにしたいと思います。つまり「費目」を決めれば、それに対応する「ジャンル」だけが表示され、「ジャンル」を選べば、それに対応する「製品種別」だけが表示されて選択できるようになるというようにしたいのです。その設定をこのフォームで行います。最初にこの分類を登録するときだけは、ちょっと面倒なんです。でも、後で楽になるので、手入力していきましょう。次から、入れ方の詳細を説明します。

費目

「費目」とは、何でしょうか。厳密な意味ははっきり理解していませんが、勘定科目に近いものです。大分類なので、大きく分けていきたいのですが、将来的なことを考えると、確定申告に備えた方がよいのではないでしょうか。ここで、確定申告時に必要な収支内訳書を見てみましょう。

収支内訳書

これが収支内訳書なのですが、Port Riseでは、全ての収支を管理することを目的としていません。そこまでやるととても大変ですし、転売をするなら、クラウド会計ソフトで金の動きを管理したほうが楽だと思います。クラウドで管理すれば、クレジットカードで買ったり口座に入金があったりすると自動で経理ソフトに反映されるので、絶対使うべきです。でも、その数字とAccessを完全に一致させるのは超大変です。だから、収支内訳書を作るための一部の手助けとして発注管理をするという考え方です。

最終的には、Port Riseで売上、仕入、在庫管理、原価を出していきたいと思います。そのために必要な費目を考えます。申告書では「科目」となっていますが、気にせず「費目」でやっておきます。

申告書の科目から、必要になりそうな物を「費目」のフィールドに入れていきます。

費目を入れました

この後雑費を加えて17種類の「費目」を入れましたが、ほとんどは使いませんね。「仕入れ」「通信費」「消耗品費」「荷造運賃」などは頻繁に使うことになります。「費目ID」は、必ず入れますが、大事な意味はありません。この順番にリストに並びます。でも必要があればリストに表示される順番を変えたり、表示させないようにすることもできます。変えたいな、と思ったことは頑張れば、もしくは俺に聞けば何でもできると思って大丈夫です。

ジャンル

「費目」の下位にくる「ジャンル」を決めていきます。基本的には複数の「費目」で同じ「ジャンル」とならないようにしたいですが、どうしても同じになってしまうこともあります。「ジャンル」は後からどんどん増えていきますが、減らさないつもりでやっていきます。

さっき入れた「費目」がリストに表示されます

「費目」に入れた情報がプルダウンリストに表示されるようになっています。適当に入れていきましょう。気を付けてほしいのは、適当に「ジャンル」を付けると後で困ることもあるということです。

例えば、荷物を送るための切手の費用は「荷造運賃」ですが、領収証を送るための切手なら「通信費」です。梱包用段ボール箱は「消耗品」ではなく「荷造運賃」になります。そういう経理の約束がありますので、困ったらネットで調べてから「ジャンル」を分けましょう。

「ジャンルID」は必ず入れますが、これも重要ではありません。この番号順にリストに表示されますが、特に意識することはないと思います。

製品種別

製品種別を入れます

「製品種別」を入れていきますが、このときプルダウンリストに表示されるのは、これまで入れてきた「ジャンル」が全て出ます。通常この通りなので、だんだんリストが大きくなり、探すのが大変になりますね。その手間を防ぐためにここで「製品種別」を「ジャンル」の下位に登録するのです。適当に入れてみましょう。

製品種別をいれてみました

私が実際に使っているAccessの一部を参考に、「製品種別」を入れてみました。今は「仕入れ」しか入れていませんが、すでに33個のレコードがあります。これからも仕事内容が増えていけば、どんどん増えていくはずですね。

この分類追加を、新しい分類を作りたいと思ったら必ずやることになります。新しく買うものや、受けるサービスがどの分類に入ってくるのかを気にかけて金を使うようにしましょう。発注フォームに登録する仕入製品を登録するための前段階です。
発注フォームには、金を使うことをどんどん入れていくので、仕入れだけにとどまらないのです。

仕入製品登録

分類追加が終わったら、仕入れ製品を登録します。試しに入れてみましょう。

分類を選びます

今データを入れているところですが、「費目」を選べば「ジャンル」がフィルターされています。同様に「ジャンル」を選べば「製品種別」が絞り込まれています。これが普通だけど超便利。何でこうなるのかは、いろいろ設定しているからです。

金を使うたびに、仕入製品を登録していきましょう。1回入れたものは入れません。

製品を登録しました

5つの仕入製品の登録が終わったところです。ここで、「仕入先型番」は、お店で付けてある型番を入れます。「製品品名」も、例えばネットで買うなら、ネット上の商品名をそのままコピーして入れればよいです。自分で名前を考える必要はないのですが、自分で入れる場合には、確実にものを判別できる品名を付けましょう。

例えば、1,2,3の品名は燃料ボトルですが、500mlと書いてなければ他のサイズと混同してしまうかもしれないし、色が複数あるなら色も入れておくべきでしょう。

「仕入先」は、分かりやすいように入れていますが、同じものなら仕入先が変わっても新たに登録しなくて大丈夫です。同じ製品名でも、仕入れ先によってものが変わるのなら、新たに登録するべきでしょう。場合によって変えてください。ものが変われば新たな仕入製品IDを付けていくということです。

これで、仕入製品の登録ができました。ここで入れたデータは、発注フォームの製品ID検索ボタンから一覧で表示されます。このフォーム上でフィルタリングをして行って、重複がないようにしましょう。

一覧からフィルターや、検索ができます

検索もできます

一覧の左上のところを押すか、Ctrl+Aで全て選択してからCtrl+Fで検索と置換ボックスが開きます。ここにテキストを入れて一覧から検索することもできます。またはフォームの下にある検索ボックスにテキストを入れて検索することもできます。

こうして重複がないか検索してから仕入製品を登録するようにしましょう。