当ブログでは、Microsoft Accessで作られた発注管理システムを使いながら、Accessの基本を学び、さらに事務処理の技術を学んでいきます。事務処理はお金を生まない仕事です。できるだけ簡単に時間をかけずにこなしていくことが大切です。そのためには正しい事務処理を学んでいく必要があります。
前回に引き続き、Port Riseの入荷フォームの使い方を説明していきたいと思います。
今回は、販売製品登録の詳細を解説します。
目次
販売製品登録
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このフォームでは、これまでに入荷した「仕入製品」を、自分のお店で扱う「販売製品」として登録しなおします。
この作業によって、以下のことができるようになります。
・セット販売ができるようになる
・販売製品の部品として仕入製品がいくつ使われるかが分かる
・販売製品が売れたときに、仕入れ製品の在庫数から使われた数が引かれていく
これって当たり前のように思いますが、とても大事で画期的なことですね。
もちろん仕入れたものを全て売るわけではないのですし、中には仕入れたものを仕入れたままの名前で売ることもあると思います。その時にも、「販売製品登録」は必ずします。
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販売製品登録の前に、仕入製品登録を思い出してみてください。
これが「仕入製品登録フォーム」です。ここでは、「分類」と「仕入先型番」「製品品名」「製品備考」を入れました。そして仕入製品は「仕入製品ID」の番号が主キーであり、この番号で仕入製品を判断しますね。
同じようなことを「販売製品」でも登録していきますが、入れていく情報が少し変わってきます。全て入れる必要はないのですが、後で集計したい情報や、オンラインショップに掲載する必要がある情報は、ここに入れておくことで、いつでも確認できるようになります。
登録していく内容
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具体的な登録内容を確認していきたいと思います。
登録前に、「販売製品登録」フォームの新規レコードに移動します。左下のレコードの新規作成ボタンを押すか、最後のレコードまでスクロールします。すでに登録されているレコードを変更してしまうと、過去の履歴が全て変更され戻せませんので、必ず新規レコードに移動することを忘れないでください。
販売製品一覧ボタン
これまでに登録した販売製品一覧が表示されます。
販売製品ID
「販売製品ID」は、番号で管理されます。これが主キーになっています。重複しない番号を入れていきます。基本的にはレコード番号です。この番号は販売製品を特定するためのとても大事な番号ですが、普段気にすることはありません。番号に意味がありませんので、レコード番号をただ入れていきましょう。
販売製品型番
「販売製品型番」は、お店で扱う商品番号になります。番号に意味を持たせるため、文字が使えますし、データ型がテキストになっています。ここに番号を入れても数値と判断されません。あくまでテキストなので、アルファベットでも平仮名でも漢字でも入れられます。基本的には、ジャンルごとにアルファベットをいくつか付けて番号を振っていくというのが管理が楽だと思います。
販売製品品名
お店に出すときの品名です。「仕入製品」と同じ名前でも構いません。新たに分かりやすい名前を付けるのも良いでしょう。基本的に私たちは製品をこの「販売製品品名」で判断します。分かりやすい名前で他と重複しない名前を付けた方が良いです。色違いの製品などは、色も入れるようにしましょう。
ランク
お店に出したものが必ず売れるとは限りませんね。そんな時には値引きをしていくことになると思います。でも、値引きにも限度がありますね。ものの状態や重要度によってランクを付けておけば、値引きしてもよい物かダメなものかが判断付けやすくなります。そんな時のために「ランク」を使います。プルダウンリストから「A」「B」「C」を選べます。もしこのリストにない値を入れたいときには、簡単にリストの編集ができます。
サイズ
ネットショップに掲載するための「サイズ」です。プルダウンリストから「S」「M」「L」「いろいろ」を選ぶことができますが、直接入力することもできます。
縦
縦の長さを入れます。数値のみ入力可能です。単位は決まっていないので、自分で決めて統一しましょう。
横
横の長さを入れます。数値のみ入力可能です。単位は決まっていないので、自分で決めて統一しましょう。
高さ
高さを入れます。数値のみ入力可能です。単位は決まっていないので、自分で決めて統一しましょう。
重さ
重さを入れます。数値のみ入力可能です。単位は決まっていないので、自分で決めて統一しましょう。
販売製品説明文
ネットショップに登録する文章を入れましょう。入れなくても登録はできます。
販売製品備考
備考がある場合に入れます。
販売製品画像
ネットショップに掲載するための画像を入れます。ダブルクリックして「追加」から複数枚入れることができます。入れなくても登録できます。後で画像を確認したいときに便利ですが、容量が重い画像はあまり入れないほうが良いです。Accessは2Gまでしか使えないので、軽い画像を入れるようにしましょう。
仕入製品ID
「販売製品」を作るのに必要な「仕入製品ID」を入れます。
基本的には、「販売製品」と「仕入製品」は1対1となることが多いと思います。特にネットショップではそうなることが多いはずです。なので、1つだけ「仕入製品ID」を入れます。
中にはセット販売をすることもあると思います。その時にも、その部品も1個ずつ販売することがあります。なのでまずはセットの元となる1つ1つの製品を登録します。そして後で1つ1つの「販売製品」をセットにして新たな「販売製品」として組み合わせます。
セット販売となるときには、ここには中心となる「仕入製品」を1つだけ入れます。その時に「使用数」を0で入れます。これは、「費目」「ジャンル」「製品種別」を利用するためです。
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セット販売組み合わせ
セット販売をするときには、このボタンをクリックして「セット販売組み合わせメイン」フォームを開きます。
仕入先
「仕入製品登録」で登録されている情報が自動入力されます。
費目
「仕入製品登録」で登録されている情報が自動入力されます。
ジャンル
「仕入製品登録」で登録されている情報が自動入力されます。
製品種別
「仕入製品登録」で登録されている情報が自動入力されます。
「費目」「ジャンル」「製品種別」は、基本的には「仕入製品」と「販売製品」は共通になります。なので、再度入力する必要がないように、これらは「仕入製品」の情報をそのまま使います。
仕入先型番
「仕入製品登録」で登録されている情報が自動入力されます。
仕入製品品名
「仕入製品登録」で登録されている情報が自動入力されます。
使用数
1つの「販売製品」に使用する「仕入製品」の数量を入れます。規定値は1です。セット販売の時には別に入れるので、ここに0を入れます。その他の数量は直接入力します。
取扱終了
取扱していない「販売製品」にはチェックを入れます。
未登録製品一覧
この「未登録製品一覧」では、これまでに入荷した「仕入製品」について、その「仕入製品ID」がこれまでに「販売製品」として登録されていないものの一覧が表示されます。
つまり入荷しっぱなしの「仕入製品」を入荷した際の「入荷明細ID」の順番に並べた一覧になります。通常同じ「仕入製品」を何度も繰り返し注文していくことになりますが、そういうものはすでに「販売製品」として登録されているはずなので、そういったものはこの一覧に表示されません。入荷後一度も「仕入製品」が「販売製品」として登録されていない、入荷しっぱなしの「仕入製品」を入荷した時の「入荷明細ID」ごとの一覧だということです。お分かりいただけたでしょうか。
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逆に、1つの「仕入製品ID」がいくつもの「販売製品」として登録されることもあります。
入荷しっぱなしの「仕入製品」は「販売製品」として登録されなければなりませんので、この一覧に表示された「仕入製品ID」を片付けていくのです。ではなぜ「入荷明細ID」のフィールドがあるかというと、厳密にいえばこのフィールドは不要ですが、あった方が何かと便利なのです。私たちはものが入荷したことは覚えていますが、これまでに入力してきた「仕入製品ID」はあまり印象に残りません。この一覧で必要な情報は入荷したものの「仕入製品ID」なのですが、入荷した順にこの一覧に現れては「販売製品」に登録され、この一覧から消えていきます。入荷順に並ぶように、「入荷明細ID」を左端に寄せています。必要に応じて他のフィールドを寄せることもできます。
この一覧は、全てデータの編集ができません。全て見るだけの一覧です。
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セット販売組み合わせメイン
セット販売をする製品は、その内容をこのフォームから登録します。最初に「販売製品ID」を登録したら、そのレコードにある「セット販売組合せ」ボタンをクリックします。
このフォームから、セットとなる販売製品を選んでいきます。その時に、「販売製品一覧」ボタンをクリックして、これまでに登録した販売製品を見ながら「販売製品ID」を探しましょう。
「セット販売製品組み合わせ内容」を入れていくことで、セットとなる「販売製品」が売れた時に、その部品の使った数が在庫から引かれていくようになります。
とても便利ですね。
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